目で感情を表す
馴染みの深いことわざで「目は口ほどにものをいう」と言いますが、これは人間だけのことではなく、猫も瞳でいろいろな感情を表しているのです。
猫の瞳というのは、光の量によって変化し、細くなったり丸くなったりします。それに加えて感情によっても変えていくのです。丁度「猫の目のよう」ということわざもあります。それもここから来ていると思われますが、瞳を見ることでその時の猫の気持ちがおおよそくみ取れます。
満足そうに目を細めてまるで微笑んでいるような表情になっている場合は、猫が満足している時や好きな人の近くで安心している時です。猫の顔は筋肉が少ないので基本的には表情が乏しいとされているのですが、それでも本当に満足している時の表情というのは案外はっきりわかるのです。
眠くなっている時にも同様に目を細めますが、この時は瞳がやや潤んで少しタレ目になっています。その時に白目を向いているようにも見えますが、それは瞬膜が目を覆うからで、眼球を傷つけないように猫の瞬膜がその役目もするのです。
そして、何か興味をそそるものがあった時には目がふくらんだり細くなったりします。こうしてピントを合わせようとしており、対象物が動くとそれに反応する特定の神経細胞が周囲のその他の風景をぼかして、対象物だけにピントを合わせます。
不安や恐怖を覚えた時には左右の目の形が違っていることがあります。初めての場所や知らない人と対面した時などには上まぶたが下がって半開きになることがあります。これは緊張している証拠です。
怒り、威嚇、興奮状態の時には瞳が黒目がちになります。ちょっと可愛い表情にも見えるのですが、そのイメージとは逆なので注意が必要です。